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ベトナムと日本の架け橋「シクロ」

皆様こんにちは。
以前にFresh Journalを担当させていただきました「S.K」と「がく」です。

暫くぶりの記事投稿となります。今回の記事では、2019年度入社の私達2人とベトナム実習生による「シクロ製作」について触れさせていただきます。

「シクロ」とはベトナムを走る人力のタクシーで、日本でいうと人力車のような位置づけと言えるかもしれません。

(↑↑↑写真はベトナムを走る一般的なシクロ)

2019年の年末、当時社長でおられた現会長より、ある一つのミッションが課されました。「新人の若手社員とベトナムの実習生で力を合わせ、人が乗り込める原寸大の”シクロ”を来期中に製作せよ!」という課題でした。

最初に聞いたときは冗談ではないか、と疑うくらい難しそうな課題でした。

「デカい上に動くってこと?」
「材料はなにを使えばいいの?」
「フレームの連結機構はどうなっているの?」
「タイヤの規格とか全然わからないけど大丈夫?」
「そもそも本当に自社で組み立てられるの?」

 

問題は山積でした。ネットで調べたり、上司に相談したりして、少しずつ解決を図りながら、1年近くの月日を費やして図面を作成していきました。

その後はベトナムの実習生と協力し、全員で知恵を出し合いながら、リアルスケールの「シクロ」を作製していきました。

 

実際に組み立てたら、強度不足が判明し慌てて補強部材を製作し溶接を施したり、塗装にムラがあり何度も重ね塗りをしたりと悪戦苦闘を繰り広げました。

(↑↑↑細部のRの大きさまで徹底的にこだわる)

 

 

(↑↑↑設計ミスにも柔軟に対応)

 

仕様や訴求事項に関しては、「人が乗れ、動く事」ということ以外はこれといった決まりはありません。この課題の目的は「ダイバシティを加味し、ものづくりを楽しむ文化を育む」というところにあります。皆で意見を出し合い、問題の解決や意匠性を突き詰めたりしながら、唯一無二、シンドーオリジナルの「シクロ」を製作致しました。

 

(↑↑↑日頃磨いてきた溶接の腕前を存分に発揮)

 

(↑↑↑組んでみると、やっぱり大きいのがわかる)

 

(↑↑↑みんなが真剣、本気モードです)

 

(↑↑↑遂に完成、8人分の魂がこもってます)

そして完成した「シクロ」は、なんと2021年の入社式にて主役の新入社員を乗せて登場するという大役を担いました。

そこで今回は「シクロ」の設計者、ベトナム実習生、そして「シクロ」に搭乗した新入社員の各視点から、それぞれの所感を発信させていただきたいと思います。

 

1)設計者(S.I)の所感

この「シクロ」を設計させていただくにあたって、前述のような多くの課題がありましたが、上司にアドバイスをもらいながらようやく完成させることができました。しかしこの設計でも、実際に制作してみると強度が足りなかったり加工が難しかったりなど、多くの問題点がありました。
「また設計をやり直さなければ…」と考えていると、ベトナム実習生の皆さんが機転を利かせてくださり、その場で試行錯誤しながら問題を解決できるような形状に組み上げてくださいました。この出来事から私は、実習生の皆さんからの多くの学びと、自分自身の仕事のやり方における課題を見つける事ができたと思います。
なにより、みんなで協力して作り上げた「シクロ」がちゃんと動きだしたときにはとても大きな感動と達成感を覚えました。ご協力くださったみなさん、本当にありがとうございました。

 

2)ベトナム実習生の所感

・グィ ファン トゥアン
この度、皆様の協力のおかげで「シクロ」を無事に完成できました。誠にありがとうございます。日本で自分の国の誇りを味わえる事なんて本当に感動しました。これで会社行事に社員皆と子供たちと乗って楽しんで頂ければ、嬉しいなーと思っております。「シクロ」を製作した皆様、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

・グェン ヴァン カイン
ベトナムじゃないと中々見えないものですが、会長をはじめ、新人たち、そしてベトナム仲間たちの協力のおかげで「シクロ」を製作できまして、本当にありがとうございます。また今度、誰かを乗せて、会社一周を走りたいです。

・ター ヴァン ティエン
シクロを作製皆様、お疲れ様でした。なかなかカッコイイ物を作ってしまいましたよね~。多分こういう「シクロ」を乗ったことがない方がいると思いますが、是非一度でも乗って遊んでみてください。

・ファム ヴァン リン
シクロを作製皆様、お疲れ様でした。また機会があったら、何かを作りましょう。

・グェン ヴァン リエン
ベトナムの有名な「シクロ」を作らせていただき、ありがとうございます。初めて作ったものなので、まだ完璧ではないと思いますが、今度、機会があったら、また作りたいと思っています。

・グェン ドゥック マイン
このような格好いい「シクロ」を作成できて、企画開発部の皆さんにとても感謝しております。私の国の象徴的な製品を作成できたことを非常に誇りに思ってます。作成の工程で多くの失敗がありましたがそれは私に多くの思い出を残りました。次回機会があったら企画開発部の皆さんと一緒に新しい商品を挑戦してみたいと思います。

 

3)シクロに乗った新入社員(O.Rくん)の感想

入社式の時に乗る前は自分の重さで壊れないかが心配で正直怖かったです。ですが、いざ乗ってみると思っていたよりも安定していて、気づいたら恐怖心が無くなっており「今までに乗ったことのない面白い乗り物だなぁ」と感じていました。普通に生活をしていたら日本では見ることも乗ることもない海外の乗り物に乗るという貴重な体験ができ、他国の文化を味わうことができて良かったです。「シクロ」を製作した皆様、お疲れ様でした。

今回の取組みはベトナム実習生と日本の新人社員との共同作業の取組みでした。
他国の文化に触れるのは様々な価値観を受け入れる一つのキッカケになると思います。

製作された「シクロ」は”ベトナムと日本を結ぶ懸け橋”のようなシンボルとなると良いですね。